展示会の重要性と多様性 / MICEとは何か?
展示会という言葉は一般的ですが、そもそも展示会とは何か。その定義や種類を説明したいと思います。
展示会の定義
展示会は、経済産業省によって「商品・サービス・情報などを展示、宣伝するためのイベント」と定義されています(フリーマーケットや路上販売は除く)。展示会は情報収集や交換の場としての役割も持ちますが、最終的な目的は企業が商品・製品を販売するために商談を行うことです。大きなテーマが設定され、出展者はそれに沿った商材を準備し、来場者はそのテーマに基づいた商品やサービスを期待して訪れます。近年ではオンライン展示会も増えていますが、実物を直接見て確認できるリアルな展示会の価値は依然として高いです。特に高額商品や大型商品においては、複数社の製品を同時に比較できること、業界の情報収集ができることが大きなメリットとなります。展示会は法人営業において非常に効果的な手段であり、その重要性は今後も低下することはないでしょう。
展示会の位置付け
日本の観光立国推進の一環として「MICE」という概念が注目されています。MICEは、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称で、Meeting(会議)、Incentive(報奨旅行)、Convention(会議)、Exhibition(展示会)、Event(イベント)の要素で構成されています。展示会(Exhibition)は、世界的にも重要視されており、2018年には展示会産業が世界に与えた経済波及効果は34兆円を超えました。
展示会は、観光や旅行という側面もあるため、不景気や大規模な災害、コロナ禍などで企業活動が縮小した場合、大きな影響を受けます。
- Meeting: 企業のミーティング等(社内会議、研修など)
- Incentive: 企業報奨等(報奨旅行、レセプション、表彰など)
- Convention: 総会・学術会議等(国際会議、学会、大会など)
- Exhibition: 展示会・見本市等(フェア、ショーなど)
- Event: 文化・スポーツイベント等(万国博覧会、オリンピック、キャンペーンなど)
展示会の種類
展示会はその目的や方法に応じて様々なタイプに区分されます。以下に主要な種類を紹介します。
- 特定の来場者(ビジネス関係者)を対象とする展示会
- ビジネス関係者に限定し、商談を通じて販路の確保や新規開拓を目指します。
- ビジネス・トゥ・ビジネス(BtoB)形式で行われ、見本市やトレードショー、商談会などが該当します。
一般の来場者(消費者)を対象とする展示会
- 一般消費者に幅広く開放し、新商品の紹介や企業イメージの向上を図ります。
- ビジネス・トゥ・カスタマー(BtoC)形式で行われ、消費者向け展示会などが該当します。
特定の来場者と一般の来場者の双方を対象とする展示会
- ビジネス関係者と一般消費者の両方を対象とする展示会が増えています。
- ビジネス・トゥ・ビジネス・トゥ・カスタマー(BtoBtoC)形式で行われ、業務用と家庭用の双方を扱う展示会が該当します。例えば、モーターショーなどがあります。
展示会は多様な形態で開催され、それぞれが異なる目的やターゲットを持っています。これらの展示会は、出展者と来場者双方にとって重要なビジネスの場となり続けています。