CMYKとRGBの特徴と違いについて
パソコンなどで作成したデザインを印刷してみると、色がイメージと違って困った経験がある人も多いのではないでしょうか。画面上と印刷物で色の印象が変わる原因は、色を表現するための要素が異なることです。
パソコンやタブレット、スマートフォンなどのディスプレイ上で使われる色は「RGB」、印刷物に使われる色は「CMYK」で、表現する仕組みが違うため、モニターで見ていたRGBの色とCMYKで印刷された色では違いがでてきます。
この記事では、RGBとCMYKの特徴と違いについて説明いたします。
RGBとCMYKの違い
【 RGBは光の三原色 】RGBは、Red(レッド)、Green(グリーン)、Blue(ブルー)の頭文字を取って表したものです。RGBは光の三原色であり、パソコンやタブレット、テレビといったディスプレイにおいて、光で色を表示する際に使われます。
RGBは、混ぜれば混ぜるほど明るい色に変化し白に近づくため、「加法混色」と呼ばれます。
【 CMYKはインキの三原色 】
CMYKは、Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Key plate(キープレート≒黒、墨)の頭文字をとって表したものです。
シアン、マゼンタ、イエローは、印刷物において色を表示する際に使われ、理論上はこの3色の組み合わせですべての色を表現できます。CMYKは、混ぜれば混ぜるほど暗い色、黒っぽい色へと変化するため、「減法混色」と呼ばれます。
しかし、実際にインキなどでシアン、マゼンタ、イエローの3色を混ぜても、純粋な黒にはなりません。CMYだけでは正確な黒色を再現することができないので、より美しく印刷するためにKをプラスし、CMYKとなっています。
印刷で黒を表現する場合「リッチブラック」と呼ばれる設定を用いることもあります。リッチブラックはK(墨)インキにCMYインキを掛け合わせて作成する黒のことで、深みのある美しい黒に仕上がります。印刷の黒の表し方については、下記のリンクもご覧ください。
https://www.expo-assist.com/blog/2024/02/01/black/
CMYKで表現できない色と特色
CMYKは、RGBより再現できる色の幅が狭いとされているため、鮮やかな色、薄い色は表現が難しいです。
【CMYKで表現できない色】
- 白色
- 金色や銀色などのメタリックカラー
- 蛍光色(ネオンカラー)
- パステルカラー
CMYKは印刷の色の表現方法
CMYKとRGBは、どちらも色を表現するものではありますが、表現する仕組みに違いがあり、印刷の際はCMYKでデータを作ることが基本です。
印刷を前提にデータを作成する場合は、あらかじめCMYKで表現できる色を考慮しておかなければなりません。
ただし、企業のコーポレートカラーや複雑な色表現などで、CMYKで表現できない色を使いたいケースもあるでしょう。その場合、CMYKにプラスして、「特色(スポットカラー)」を使用する方法があります。
特色とは、CMYKでは再現できない色を表現するために、特別に調合されたインキのこと。CMYKは4つの色を掛け合わせて中間の色を再現しますが、特色はあらかじめその色のために調合された、単色インキを使用します。
特色を使って印刷する場合は、膨大な種類があるため、一般的に主要なメーカーの色見本を使って色番号を指定します。DIC株式会社の「DICカラーガイド」やパントン社の「パントン・ソリッドチップス」などが有名です。どの印刷会社でも、すべての特色に対応しているわけではないため、見積りや注文の際に、特色を使いたいと相談しておくと安心でしょう。